九州5県を含む13県で、新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が6日までで解除された。7日は福岡県の新規感染者数が約1カ月半ぶりに2千人を切るなど、複数の県で1月上~中旬の水準に落ち着いた。重点措置が延長された熊本県を除き、飲食店が久しぶりに通常営業に戻ったが、まだ手放しでは歓迎できない状況が続く。
福岡市内でタクシーを運転する60代男性は7日夕、「福岡空港で客を乗せるまで2時間待った。東京などで重点措置が続いているからか、まだビジネス客は戻っていない」と話した。
天神など福岡市内に3店舗を展開する居酒屋「酔灯屋(すいとうや)」は、県の認証を得て時短営業を続けてきた。九州産の食材にこだわる博多料理の専門店で、180席ある天神店は普段、会社員のグループの利用が多いという。7日から営業時間を通常の午後11時半までに戻したものの、この日の予約は約20人にとどまった。
経営者の竹内康順さん(59)によると、重点措置期間中の売り上げはコロナ禍前の2割ほどで、厳しい経営状況だったという。解除はされたものの、「大手企業などがまだ会食自粛を続けていて、東京の本社が自粛と決めたら支社はそれにならう。地方経済は東京の影響が大きい。解除になっても戻るのは4、5割程度かな」とみる。
一方、解除の数日前に卒業を控えた学生グループが食事に来てくれた。笑顔で楽しむ様子に、竹内さんは「この仕事をやっていて良かった」と感じたという。コロナ禍が収束して「全開」になった後に好転することを期待し、「来てくれたお客さんにおいしい感動を届けたい。与えられた条件の中でやるべきことをやる」と気を引き締めた。(山田佳奈)
医療関係者「高齢者守るため対策続けて」
福岡県は、重点措置が解除されても4月7日までを「感染再拡大防止対策期間」とする。重症化率や死亡率が高い高齢者をどうやって守っていくかが、今後のポイントになりそうだ。
県内では2月半ばから病床使…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル